プレミアリーグ 第17節 チェルシーvsシティ


HIGHLIGHTS | CHELSEA 1-3 MAN CITY, GÜNDOGAN, FODEN and DE BRUYNE | 2020/21

今季ベストゲームでは? 序盤こそハイプレスに押し込まれっぱなしだったもののボールを拾ってからの速い攻め上がりや流動的な位置取りで奪わせないパス回しで攻撃がしっかり機能していたし、前線での圧力・中盤での隙あらばの奪取・最終ラインのカバーと守備も良かった。まさしく会心の勝利。
コロナでエバートン戦が延期になった故にここまでどの選手も動き回れたのはあるだろうが、この方向性を続けていくことができればCL圏もいけるのではないだろうか。

 

スタメン

ステフェン

最初の珍プレー以外は無難にこなしていた。本人的には不本意かもしれないが前プレ誘発を意図して今後スタメンに選ばれる機会もあるかも。

カンセロ

SBがいつの間にかトップ下の位置にいるの、何度見ても慣れない。

ストーンズ

対人戦もしっかりしていたが、3点リード時に見せた大胆な攻め上がり(ハーフラインあたりでパス&ゴーして最終的にコーナーアーク近くまで来てた)も印象に残った。

ルベン・ディアス

「この人の加入で一気に守備が固くなりました」の劇的ぶりが西武の源田並み。両SBが守備重視じゃない人選の時にクロス対応を間違えないこの人がボックス内にいると安心する。

ジンチェンコ

久々に見たが、攻撃では中々良いパス出しを幾度もしていたし、守備でも(最後のハドソンオドイのところを除き)きっちり相手を追い隙を作っていなかったと思う。

ロドリ

ヘッドは合わせ方100点だったが相手の反応が良すぎた。

ギュンドアン

こんなに頼もしかったっけ? というくらい頼もしかった。プレス回避巧すぎる。全員守備を徹底すれば逆にテクい選手も浮かずに活かせるのだなあと。

デブライネ

デブライネに期待することではないかもしれないが、中盤で隙を見て球を突っついてカウンター発動・スターリングに激ウマフィードの流れを今後も6000回くらい見たい。ただそれよりも程々に休んでほしい気持ちのほうが強い。最後の方のFKでめちゃくちゃ息上がってたし。

ベルナルド・シウバ

相手の誰かが球を持てばダッシュで奪いに行き、味方の誰かが球を持てばダッシュでサポートに行き、と「駆けずり回る」という概念を擬人化した存在と化していた。

フォーデン

ゴールシーンでセンスの片鱗を感じさせてくれたが、どちらかというとサボらずプレスをかけ続けていたところの方が印象に残ったかも。

スターリン

決定力よりも機動力の面でやはりこの人の力が大いに必要とされるなーと。

途中出場

フェルナンジーニョ

長くはない出番だったけどボールの奪いに行き方に上手さを感じた。

アグエロ

状況からしてフルスロットルで行く必要はないとはいえ、明らかに動きがもっさりしていて今回のような展開だとついていけないんじゃと不安に。本調子ではなさそう。

マフレズ

バス停められて速い攻めできませんという試合も今後多々あると思うのでその時はよろしくお願いします。

監督

ペップ

「今年は状況が状況だから」って言っとけばシャビにも怒られないと思うから今後も堅守速攻で行きません?

 

 

所感

こんな情勢だが私個人は事情により平日はステイホームすることができず、春先は毎日空いている電車に乗っていた。その後街に人が戻り、常に実感の伴わない危機感を抱えながら最低限のところは今まで通り過ごしているが、リスクのことを考えると遠出したり盛り場に行ったりする気にはなれず、休日は完全に引きこもり続けていた。
世間からアクティブでいなくていいお墨付きをもらってホッとしたような気分も正直あったが、あくまでそれは選択肢がある中だからこそ価値のあるもので、ライブにもイベントにもスタジアムにも行けなかった(行かなかった)ことで今年失われたもの、今後失われるものに思いを馳せると憂鬱な気分にもなるが、このムードが続いていくのは間違いなく、どうにかこうにか付き合わざるを得ない。

今年の後半から、何かを書くことで自分が触れているものについて伝えられれば良いなという思いからブログを書く回数を増やした。自分の好きなものについて自分より詳しい人がいるのが当たり前の環境にいるので、目を通す人にとって記事が有益なものになっているか、楽しませることができているかどうかはわからないが、自己満足とサービスの間のちょうどいい落とし所に位置づけられるような文章を来年も書いていきたい。

ブログで言及してなかったけど今年良かった人・もの

・Tame Impala 『The Slow Rush』

今年一番聴いた音楽。特に上半期はムードがあまりに世の空気に合致しているように感じられ繰り返し再生した。
好きな曲は多々あるが『Glimmer』が初期シカゴハウスでメロウさが際立つVirgo Fourにしか聞こえなくて、そこを参照するのか......と思う等。

 

・Tevo Howard

シカゴ繋がりで。父もシンガーだったというハウスのプロデューサー。初めて聴いたのは↓の音源で、音は確かにクラシックなアシッド・ハウスなんだけど奥ゆかしいメロウさと朴訥さが独特だなあと強く印象に残った。


Tevo Howard - Move (Original Mix)

今年に入って久々に存在を思い出し、Spotifyで検索してみたところカタログの大半がカバーされていたのでちょくちょく聴いた。

初期ハウスで鳴っているようなドラムマシンやシンセサイザーそのままの音色、少ない音数、凝りすぎていないプログラミングという要素が並びながらも決して粗いわけではなく、でも生々しさはある、という不思議な佇まいの曲たち。どの音源もハズレがないと思うが、一つ選ぶとしたら独自性が一番感じられるという意味でハウス音楽で最も知られているクラシックをカバーしたこれか。

 

・東雲和音 (天音みほ) 『Mani Mani』

気が向いたらTaku Inoueについての個人的所感をまとめた記事を書きたい。要約すると「現在最も信頼できる音楽の作り手の一人だね〜」で終わってしまうのだが。

 

上田麗奈 『Empathy』

過去作も言うまでもなくクオリティが高かったが、世界観がディープすぎて向き合うにあたって少し構えてしまうな......と感じていた。今作では序盤と終盤に収められたポップな曲群によって、アルバム全体をより絶妙な温度感に落とし込むことに成功している。個人的には5曲目の感情に無批判な感じが苦手なのでそちらの路線を拡大してほしくないという思いはある。
この後に出た『リテラチュア』も含めて素晴らしい成果であり、制作する側は大変だと思うが様々な領域に届く可能性が見出せるこの一連のプロジェクトに今後も期待を寄せずにはいられない。

 

早見沙織 『yoso』

この人に関しては出るものすべて良いが、中でもこの曲は絶妙で別格の出来。イントロでベースが入ってくるところ、Aメロでマシーナリーな16分のハイハットが入ってくるところでシビれる。

 

・降幡愛 『CITY』

彼女の諸作品における「80'sリバイバル」が驚きを持って受け止められている理由に、ダンス音楽やクラブ文化の影響が一切ない上でのディグによる産物だから、という点があると思う。

 

ピエール瀧 YOUR RECOMMENDATIONS

www.youtube.com

昨年の諸々に対し思うところが何もないかと言われれば嘘になるが、とりあえずはこうした形で再び「らしい」活動が見られることは喜びたい。旅企画としてはユルいが退屈さは感じない良い湯加減で、今日から始まるという第2弾も楽しみ。

 

・テレビ千鳥

週に1回心の底から笑える時間があるだけで生活が豊かになったような気がしてくる。好きだった企画は「コメンテーター表情選手権」「ガマン花火」「ノブに香水を歌わせたいんじゃ!!」あたり。

 

Jリーグジャッジリプレイ

www.youtube.com

DAZNにて配信されている番組。Jリーグの試合中の判定の是非について、実際の審判経験者を交えて多角的に検証するという内容。サッカーの試合におけるレフェリングの重要性を学び、競技自体への理解も深まる。スポーツが好きな人はもちろん、そうでない人にも興味深いであろう視点を提供している。

 

三嶋一輝

今年は球場にも気軽に足を運べず、チームはあと2歩も3歩も足りない結果に終わり、シーズン後の戦力の入れ替えもあり何とももどかしい心持ちが続いたが、そんな中でベイスターズの希望となったのは首位打者となった新キャプテン・佐野恵太とこの苦労人の新クローザーだろう。中継ぎとしては時たま不安定な投球もあった彼がクローザーとしてここまで支配的だったとは思っていなかった。ハイライトはやはり無死三塁の大ピンチから3者連続三振で1点差を守りきって締めた試合だろう。
来年は厳しいシーズンになるだろうが、三浦新監督がどのような手腕と姿勢を見せてくれるかに期待したい。


2020.10.16 三嶋圧巻の3者連続奪三振!!ノーカット!!

 

チェンソーマン

先日の連載最終回にのみ乗っかって興奮をシェア、というこのSNS時代において最もみっともない馴れ合いムーブをしようとして単行本とジャンプの電子版で一気読みし、もはや馴れ合い云々がどうでもよくなるぐらい食らってしまった。
あくまでエンターテインメントとしての矜持は忘れず、しかしながら人間の弱さ、盲目さ、愛といったテーマが真に迫る形で描かれていた。早川家の呼び鈴が鳴る場面の恐ろしさと絶望や、終盤の張り詰めた展開の中で突如差し込まれるファミリー!の脱臼っぷりに表れているが、どこか悲壮・憤怒・執着といった激しさを淡々と、場合によっては悪意すらも交えて取り扱う姿勢が垣間見えるところに秀逸さを感じた。LIFE IS... COMEDY!!!(ギャラクシー銀座)

 

・浅倉透

 

佐倉薫

 

好(Hǎo)だね......

 

岩井映美里

 

好(Hǎo)だね......

 

八巻アンナ

 

 好(Hǎo)だね......

 

・会沢紗弥

 

 

 

 

 BEST Twitterer in the World

 

色々 (FPL、デレ総選挙曲、しくじり学園、The Witness、ニジガク)

Fantasy Premier League

第10節

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第11節

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KDB凄いけどダビドシルバ凄かったんだね......って感じの(伝われ)シティもなんとか7位まで上げてきたところで順位が1個上のユナイテッドとダービー、さてどうなる?ってとこだけどフェルナンジーニョギュンドアンでブルーノを抑えるイメージが湧かない。

得点でポイント重ねやすい前線は中堅〜下位チームで固め、ディフェンスに高コストの上位チーム主力をつぎ込むって形のほうが効率的なのかな?と思っている。

 

シンデレラガールズ『Never ends』『Brand new!』

今年の春にやってた総選挙の上位選出者による歌唱。両A面シングルだがどちらも良い。


【アイドルマスター】「Never ends」(歌:THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS for BEST5!)

こちらは「シンセポップの上手い花屋」ことESTiの作編曲。3年前の総選挙曲『恋が咲く季節』も素晴らしかったけど、今回も軽快なリズムで仰々しさのないグッド・ミュージック。こういう「セットリストのどこにおいても機能しそうな曲」がコンテンツの奥行きを担保する、までいくと言い過ぎだけど、せっかく物量作戦ができるんだからアゲか泣きかしかないよりかは色んな温度感の曲がある方が良い。

それにしても、声を付ける云々の動きを「ボイスオーディション」として切り離した結果、上位に渕上舞藍原ことみ早見沙織が残って巧&良な歌唱を披露しているあたり、ちゃんとキャラクターと演者のシナジーの発生を選出時から見越してるんですねと改めて実感する。


【アイドルマスター】「Brand new!」(歌:辻野あかり、砂塚あきら、桐生つかさ)

こちらは烏屋茶房の筆。一聴した時に「アイカツ!っぽい」と思ってしまうが(富田美憂がいるからか?)当方未履修で「カレンダーガール」くらいしか具体的な「ぽい曲」が浮かばないので、逆にあの曲の存在の大きさを感じる。

ただ、基本はディスコ/ハウスだけどちょくちょくヒップホップっぽいフロウを混ぜてアクセントにする(Bメロの『溢れるドキっ、ドキっ、でー』、2番の冒頭、大サビの「胸を張り踏み出そう〜」)あたりで、偉大な先達からのさらなるアップデートを示しているのが流石。

はつはつしい(©戸田和幸)梅澤めぐas辻野あかり、クールかつキュートな富田美憂(砂塚あきらのソロ曲楽しみすぎる)、ちょっとクド目の歌唱が癖になる河瀬茉希のバランスも良く、年始のライブで見るのが楽しみ。と書いたところで配信チケットまだ買ってないのに気付いた。ブログを書いてて良かった〜(織田裕二のモノマネの人)

 

しくじり学園 お笑い研究部『キングオブう大』

abema.tv

しくじり先生」のスピンオフ番組での企画。「キングオブコント」準決勝進出者が披露したネタを、同大会優勝経験者であるかもめんたる岩崎う大が採点・評価する。(上記リンクでの最新回視聴は14日まで?のようだが、次週も同企画の予定)

どうしても「感覚」が先立つものとして捉えられている分野であるお笑いの成果物であるネタに対し、演劇の領域でも活動するう大によって理にかなった指摘と改善点の提示がなされるのが面白い。あまりにテクニカルな部分ばかり取り上げられるのもバランスを欠くが、そこに一定の論理があることが共有された結果送り手と受け手双方のリテラシーが向上しシーンの活性化に繋がることもあると思うので、それこそ地上波の番組でも見てみたい内容だ。

 

The Witness

note.com

上の記事を読み興味を持って購入。全然知らなかったんですけど有名なゲームなんですね。

散々言われている副作用(上で言う『"世界の見え方"が変わる』こと)もしっかり味わっているが、どちらかと言うとパズルの物量でアテられているところがある。自分はこの手のものに関しては「先に進めないストレス>自力で解けないことで目減りするプライド」なのでガンガンネタバレを見るが、それにしたってゴールが遠い。その分やりごたえがあるとは言えるが。

オープンワールドでフィールド内に様々な「要素」があるのは非常に好みで、隅から隅まで回りたくなってしまうため、上記のパズルの物量と合わさって無限に時間が溶けていく。他のゲームが進まないのでうまく折り合いをつけていきたい。

 

 

ラブライブ! 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会

アニメ版をYouTubeでの一挙配信で9話まで見て、その後も継続して視聴中。初代のアニメは1期だけ見てアクアは総スルーという状況だったが、ブランクを感じることもなく楽しめた。

livedoor.hatenadiary.com

見ようと思った大きなきっかけは上の記事で、ここで作品の持つ特色は概ね説明されていると思うが、この中でも言及されている通り「スポ根要素がない」というのが自分にとっては受け入れやすさに繋がっている重要な点だと感じる。「大会優勝を目指す」とかのお題目はストーリーは作りやすいだろうけど、せっかく歌って踊って表現する話なんだからいろんな価値観に基づいたゴールがあってもいいんじゃないですか、と考えてしまうので。そういう意味では、10話で侑が(色々なアクトが集まる)「フェスをやりたい」と発言したのは象徴的だと思う。

今のところ好きなキャラは愛さんと果林。曲はどれも出来が良くてライブシーンも見ていて楽しいが、個人的なお気に入りは彼方の『Butterfly』。曲もパフォーマンスも映像も良すぎてリリースが待ち遠しい。


【限定公開】Butterfly / 近江彼方(CV.鬼頭明里)【TVアニメ『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』第7話ダンスシーン映像】

色々 (FPL、デレステとミリシタ、Aインター)

Fantasy Premier League

第8節結果

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これだけ怪我人が出まくっている状態だと、CL・ELに参加していたりカップ戦を勝ち上がっていて過密日程のクラブからの選出は避けた方が良さそうか......

 

デレステとミリシタ

世間の人々は多分もう誰もやってないが、当方は一応デイリーミッションは毎日こなす程度は触っている。今月頭のデレステのガシャで塩見周子木村夏樹がピックアップされたので回したら30連くらい(タダ10連券込み)で両方揃いちょっとテンションが上がった。

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顔が

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良いね......

あとデレステ・ミリシタ間コラボもお互いの信号機がちょろっと出てきておねシンと39歌って終わりでしょと思っていたので意外としっかり作り込んであってビビった。

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クレイジークレイジー、最高の曲だね..... ミリシタ版の一ノ瀬志希モデリングデレステ版に比べて顔つきがシャープで良い。

 

有田プロレスインターナショナル

www.amazon.co.jp

有田哲平Amazon Prime Videoでやっているプロレス番組のニュー・エディション。

前番組「有田と週刊プロレスと」の素晴らしさは、視聴していた人々には説明不要だろうし、視聴していなくても評判を耳にする機会は多かったはずだ。
週刊プロレス」で取り上げられている1つのトピックに豊富な知識を裏付けとし文脈を与えることで、視聴者に情景を鮮やかかつ立体的に追体験させ、プロレスというエンターテインメントが積み上げてきたものの豊かさを門外漢にも伝えることに成功していたあの番組の功績は大きいだろう。有田の話術を堪能できるという面でお笑いの番組としても秀逸だった「有プロ」は、有料配信限定のため決して万人には知られていないが、2010年代後半のバラエティコンテンツの中でもベストなものの一つに数えられてもおかしくはないと思う。

上述のように、「有プロ」最大の魅力は、一人のレスラーがシーンにおいてどのような立ち位置で、どのようなキャリアを歩んできたのか、あるいは過去の名勝負についてそこに至るまでどのような流れがあり、その後にどのような影響を及ぼしたのかが示される点であった。つまりそこにはとあるトピックに対する「視点」があった。そしてその「視点」は決して有田が独自に持っているというものでもなく、かといってなんとなく定められた「正史」にとどまるものでもなかった。あるいはそれらのどちらでもあったと言ってよい。プロレスに様々な形で関わってきた人々の営みの積み重ねを、「公」と「私」を敢えて切り分けきらない観点から再び見つめ直そうとするアクロバティックな芸当を有田は乗りこなしてきたといえるのではないか。また、いつもEDで掲げられる「教訓」でそこまでの熱い語りを茶化すかのような肩透かしのオチをつけていたのも、あくまでも自分の観点を「正解」とするわけではない、という誠実な態度の裏返しととれる。そして、「公」と「私」や「正解」と「不正解」、あるいは「シュート」と「ブック」といった二極のどちらかに寄っているのではなく、そのどちらでもありどちらでもない、という揺れ動きこそプロレスというエンターテインメントの最大の魅力の一つであり、「有プロ」は有田の見識とプロレスへの愛情からその点を見事に表現していたように感じた。

翻って「Aインター」は、開始から6エピソードほど経た現在、前番組よりかは少しライトな試みのように見える。「フェイスペイント」「マスク」「入場曲」といったテーマに対し、有田とゲストが思い思いのトークを繰り広げ無軌道かつ脱力した展開を見せる様は良くも悪くも「オタクの語り」の域を出ておらず、さすがにプロの芸人ゆえ話が面白くないという事態には陥っていないものの、プロレスの門外漢にその魅力が伝わるような内容かというと疑問符が付いてしまう。

ここで思うのが、「Aインター」は「有プロ」自体への有田の茶化し、照れ隠しのようなものなのではないか、ということだ。業界内でトップの知名度がある雑誌のバックアップを受け、プロレス文化の歴史、豊かさをレペゼンするという志高き試みに対する、「いや、自分はそこまで大それたものではないですよ、偉大なのはあくまでレスラーであり団体でありプロレスそのものですよ」という意思表明。そうだとするなら、有田哲平というエンターテイナーの姿勢の表れ(そして彼がエンターテイナーとして信頼できる存在であると感じるに足る確証)の一つとしてこの番組を捉えることができるかもしれない。あるいは、前番組でのプレッシャーから開放されてもっとノビノビとやりたいというだけかもしれないが。

いずれにせよ、有田だけでなくケンコバの饒舌なプロレス語りを楽しめる、というところだけでも一見の価値はあるだろう。ビビる大木にもできるだけ早く登場してもらいたいところだ(有田・大木コンビの語りによって田村潔司を知ることができたのは前番組での大きな個人的収穫の一つ)。また、現状はプロレスを知らない人が担わされるも置いてけぼり......というもったいないものになっているMCの立ち位置について改善が見られると良いだろう。倉持明日香チュートリアル福田充徳のアシストの絶妙さを思うと、素人〜初心者〜中級者を置き去りにするより巻き込むほうが笑いも生まれそうだし。

 

アレックス・ラミレス監督の退任によせて


TOMORROW IS ANOTHER DAY. | THANK YOU ALEXANDER RAMIREZ

 

私が彼に抱いている思いは概ねこの動画にて示されているような気がする。

「監督」とは、采配だけでなくその態度でも場を支配する。大いにタクトを振るうが、その分決してネガティブには振る舞わない。絶望的な状況でも「まだ可能性がゼロになったわけではない」という、信じるには心許なさすぎるが大切な「建前」を崩さないことで、我々でも簡単に表明できるインスタントで何かを生み出すこともない「本音」に逃げないことで、チームにあるべき品格のようなものを保たせ続けた。
身も蓋もないことを言うのは簡単だ。しかし、何か崇い理想を追い求め進もうとするときに、その手段においてはどんな無様なものでも選んでいかなければならない、そんなときに最後に必要となるのは「建前」ではないだろうか。そして、その「建前」が掲げる理想とか夢とかそういった類のものが現実になる瞬間が見たい、というのが我々がスポーツを観る動機の一つではなかったか。

これを読むあなたがプロ野球をよく見ている人なら、もしかしたら2016年にベイスターズが初めてクライマックスシリーズに進出したことや、翌年にCSを突破し日本シリーズに出場したことを覚えているかもしれない。雨のカープ戦でCS出場が決まった時、私は友達と昼間から酒を飲んでいた。その事実を知り、声を上げて泣いた。大の大人なのに泣きすぎて鼻血を出した。関根大気が阿部慎之助の大飛球をフェンス際でキャッチした後、東京ドームのレフトスタンドで感涙にむせぶ男性がいた。3位からの下剋上を果たすチームを見届けるべくマツダスタジアムから遠く離れたハマスタに試合時と変わらない程の人たちが集まった。濱口遥大の好投や、筒香嘉智の逆転弾、山﨑康晃と柳田悠岐の対決を超満員の観客が見守り、大歓声を送った。
誤解を恐れずに言えば、こういった光景こそ、「夢」だった。短い栄光の時はとうに過ぎ去り、閑古鳥の鳴くスタンドに虚しさを覚えるしかなかった、そんな頃に夢想していた光景が実現していた。

しかし、そんな光景が長くは続かないことも我々は知っている。失意を覚えため息をつく時間のほうが長くなる。「建前」に苛立ち、安い「本音」でちゃぶ台を返したくなる衝動に駆られることの方が今後も多いだろう。
だが、どんな時も一つの態度を保ち続けることが重要だという「建前」も、また我々は知っている。"Tomorrow Is Another Day" - どんな喜びも悲しみも、我々をその場に留まらせるためのものではない。次の試合、来るべき明日、変化していく未来のために、前を向き続ける。その姿勢、その観点こそ、我々がこの5年間に彼が率いるチームを観続けて、得たものではないだろうか。

アレックス・ラミレス監督、5年間お疲れさまでした。

 

色々(FPL、シャニ、レイズ、MLB THE SHOW、関口理咲)

Fantasy Premier League

第6節結果

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第7節結果

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プレミアリーグエバートンとヴィラに土が付き、少しずつスタートダッシュのカオス状態が落ち着いてきたように見えてきて、ここから上位中位下位それぞれで争う段階に入っていくのかなという状況だが(シティは快勝が1度もない......)、私のFPLではご覧の通り出場不可選手続出で入れ替えが必須な状況。継続して結果を残す選手を見極めるのは難しい......

 

シャイニーカラーズ『MUSIC DAWN』

2日間とも視聴。他シリーズの華美な演出に慣れてしまっているためまだまだ簡素なステージングに感じられるが、Mやデレではハンドキャリーのカメラで行っていた接近のショット等をドローンを用いてやっているのは面白かった。

成海瑠奈の躍動感、田中有紀の立ち振舞いが醸し出す説得力、峯田茉優のとにかく愛嬌を全面に押し出すムーブ、土屋李央が表現する樋口円香の"The Girl with the Thorn in Her Side"さが印象に残る。樋口不在を逆手に取った2日目のノクチルも良かった、観客がいる状況で見てみたい。あと司会として津田健次郎(!)が登場しただけでテンションが上がってしまった。プロデューサー役や事務員役のキャストの登壇は今までもあったが、社長役は初なのでは?

楽曲についてはなんとも......。自分がターゲットから外れているのはわかるがそれにしてもなんであんなに特に良くもなく面白くもない曲ばかり出てくるのか......(せめてKOHとか連れてこれないか?)

 

タンパベイ・レイズ

「低予算だがやりくりでなんとかする」チームがまさかのメジャーリーグ最高峰の舞台・ワールドシリーズへ勝ち上がった。最後こそ圧倒的な戦力のロサンゼルス・ドジャースに敗れたが、大物スター選手はいないながらも日替わりでヒーローが現れて活躍を見せる様子は見ていて心躍らせられるものであった。一番痺れたのはアメリカンリーグ優勝決定シリーズ、ヒューストン・アストロズとの連戦。固い守備とここぞの一発で少ない機会をものにして勝利を手にする姿は正しく「勝てるチーム」であった。今シーズンは試合数も少なかった故来年以降元に戻った時にどうなるかはわからないが、きっと「一定の結果」以上のものを見せてくれるエキサイティングなチームでいて続けてくれるだろう(願わくばその中で筒香が躍動してくれれば......)。

 

MLB THE SHOW 20

続けてメジャーリーグ絡みの話題を。今私が盛大にハマって多くの時間を費やしているゲームが『MLB THE SHOW 20』。タイトル通り、実在のMLB(とその傘下)の選手・チームを操作して遊ぶことができる。

このゲームの良さを一言で表すなら「リアリティ」だ。モデリング等のビジュアル面だけでなく、根幹となる野球の部分の挙動、特に変化球が素晴らしい。「一般的な野球ゲームの真横に曲がるスライダーと、現実のスライダーの変化は全然違う」というのは最早あるあるネタの一つになっているが、このゲームではしっかりと現実のものに近い変化をする。

実際のプレイ動画。田中将大ダルビッシュ有の投げあいとなっているが、彼らが投げる球が我々が中継等で見ることができる軌道に近くなっていることがわかるはずだ。

打者視点に立つともっとわかりやすいかもしれない。上の動画の5:38〜からを見てほしい。投げているのはニューヨーク・ヤンキースのエース、ゲリット・コール。

野球ファンにとってはこれだけでもプレイする価値があるのではないかと思わされる。「ストライクからボールになる変化球で空振り」も「直球と同じ軌道で来るチェンジアップでタイミングを外す」も「ゾーンに入ってくる高めのカーブで虚を突きカウントを稼ぐ」もよりリアルな形でできるのだ。もちろん、打者としてはそれらに対して頭を捻りスキルを磨いて対応していく必要があり、非常にやり応えがある。

いかんせん他国のリーグなので馴染みがないのもあるし(データ収録時期の問題か、日本人選手では秋山翔吾と山口俊がいないのが惜しいところ)、なにより日本語対応がされていないという大きなハンディキャップがあるが、日本語マニュアルやRoad to the Showモード(いわゆるキャリアモード)の対訳表を公式が用意しているのがありがたいところだ(下記リンク内)。

www.playstation.com

Road to the Show以外にもチームのGMとなり試合だけでなく選手の昇降格・トレード・ドラフト等をこなしていくFranchise、過去から現在までの記憶に残る名場面を再現するMoments、1シーズンの重要な局面のみプレイし優勝を目指すMarch to October、ログイン等でもらえるパックで選手を集めるDiamond Dynastyといった様々なモードがあり、気軽なプレイもどっぷりハマるのも可能だ。PS4を持っていて野球が好き、野球に興味があるなら是非プレイしてみてほしい。

 

関口理咲

マウスプロモーション所属の声優。名前の読みは「りさ」。ニックネームは「りこちゃん」。

現在の大きな仕事としてはシンデレラガールズの白雪千夜役で、ご多分に漏れず自分もそこから知ったが、どちらかというと声優としての領域(演技とか、当世なら歌唱とか)からは少し外れるようなところでの仕事が結構面白い。

関口理咲のRadio'96

www.youtube.com

こちらは彼女と同年生まれの構成作家氏と月1ペースでやっているラジオ(先週末公開でアーカイブは2週間まで)。声優としてのキャリアからくる初々しさというよりかは、元来のキャラクターのところにある良い意味での青さがこちらに好感を抱かせる。構成のイナバ氏によるフォローも出すぎず引っ込みすぎず絶妙で、声優のラジオとしていい湯加減で聞ける内容。

関口理咲の天然色素

www.youtube.com

一方こちらは先日初回が放送された動画番組。彼女本人の姿が映る形になったことで、上述のラジオと全く毛色が違うものになっている。

話す時・聞く時のなんとも言えない挙動、サポート役の先輩・坂巻学のニックネームが「マキマキ」と知った際のえ、そこまで?となるウケ方、ゲーム中に自画自賛を繰り返すも結局負けてしまって見せる100点満点の表情、こういった要素によってこちら側の彼女に対する印象が「変」と「チャーミング」の間で何千回も往復する。内容としては初回はただゲームをしただけであるが、彼女自身の面白さ、魅力が目を離せなくさせている。あとスタイリングも良いがこれは自身でやっているのだろうか?以前「まついがプロデュース」に登場した際も結構度肝を抜くような服装だったけど似合っていた。

今後も非常に楽しみな番組だが、第2回のゲストがなんとたかはし智秋(!?)。化学反応は大いに期待できるがあまりにも大クセキャスティングすぎるだろ。

 

 

ベイスターズについてはシーズン終わったら書きます。