ブログで言及してなかったけど今年良かった人・もの2021

牧秀悟

正確には言及してなくはないけど単独で取り上げたことはないので改めて......枠その1。

グラウンド上以外のところでもあらゆる面で粗さが抜けず、納得感しかない最下位フィニッシュだったベイスターズにおける数少ないポジティブ要素。守備位置によりもたらされるアドバンテージや打撃での高い適応力といった点もさることながら、ベンチでの姿勢や落ち着き払った言動等から間違いなく今後チームを引っ張っていく存在になることがうかがえ、彼と共にあるチームの未来を見続けていたくなる。


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チーム全体としては、シーズン自体は三浦新監督の経験値蓄積期間と割り切りつつ(それにしたってどうなのよと思う采配や人事もなくはなかったが)、未来に向け既存戦力のキープと怪我持ち若手を尽く手術させるといった懸念事項解消に加え、大きな穴だった実績のあるコーチ陣の招聘に成功、と今後数年で勝負をかける下地作りはうまく進められているように映る。リリーフ陣の消耗具合がどうしても気になるが(2017年の日本シリーズ進出時とほぼ陣容が一緒というのが恐ろしい)、来季はCS狙い、平良が戻ってくる再来季は優勝、というこちらの青写真が現実になるよう願う。

 

ベルナルド・シルバ

正確には言及してなくはないけど単独で取り上げたことはないので改めて......枠その2。

まだランパードが率いていたチェルシーとの一戦で炸裂したギュンドアンのターン&ゴールから始まったマンチェスター・シティの1年は、途中CL決勝敗退という途轍もない無念を味わうことこそあったものの、終わってみれば前評判通りの安定した強さが継続されていたと言っていいだろう(各々の試合を見るとスッキリ快勝という試合はあまりなかったが)。

今のシティは(デブライネが今ひとつ本調子に戻りきらないのもあり)特大の"個"によって引っ張られるというよりかは全員がひたすら有機的に作用しあって形作られているような印象だが、それでもベルナルド・シルバの存在の大きさには言及しないわけにはいかないだろう。攻守で労を厭わず走り回るスタミナと献身性・多人数に囲まれても球を失わないスキルを持ち合わせ、それに加えて年の終わり頃には素晴らしいゴールまで決めてしまうようになったこの決して屈強とは言えないポルトガル人が披露する泥臭さと華麗さを兼ね備えたプレーを週に一度見るために、自分はこのタフな日々を過ごしていたといっても過言ではないかもしれない。

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その他スポーツ

終戦までどうなるかわからず目が離せなかったMLBプレーオフ争い、もどかしい展開が多かったもののその分1点のカタルシスが大きかった日本シリーズ、半ば仕掛けられた形とはいえ余りにも劇的な締めくくりだったF1最終戦といったところが印象深い。来年もDAZNの料金の元を取り倒す勢いで観戦を楽しみたい(願わくば現地で楽しむことも気兼ねなくできるようになれば......)

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久川凪 (立花日菜) 『14平米にスーベニア』

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歌の中の"Yeah"という言葉には様々な意味が込められてきた。迸る情熱、心からの喜び、笑うしかない自嘲、それがどんな場面であれ、何がしかの感情を開放するものであったはずだ。しかしここで歌われる"Yeah"——クレッシェンドしてからデクレッシェンドするという、我々が未だかつて耳にしたことがなかった特異な"Yeah"——には、今の世の中に蔓延る、不確かなものであるはずの感情を無批判に誇張し粗雑に扱う風潮への慎ましやかな照れと疑義と抵抗が示されている。無闇矢鱈に浮足立つことなく日々を生きる中での新たな門出、そんな特別な状況に踏み出していく自分を後押しし心を軽くする小さな彩り。まさしく『14平米にスーベニア』という生活の場面にふさわしい軽やかなグルーヴとオリジナルな"Yeah"。

 

まぁたんゆりりん

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素晴らしいものは案外単純な成り立ちでできていたりするが、この声優番組もそれに当てはまるだろう。Machicoの何も考えていないアッパラパーなボケと駒形友梨の当たりが強い的確なツッコミによる掛け合いの一本槍でここまで愉快なものが仕上がるのだから恐ろしい。今年下半期最強のノーダウトコンテンツ。アラサーを過ぎても爆モテするようになっても続けてください。

 

会沢紗弥のエンディングは上機嫌で

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数年前、世に出たばかりの会沢紗弥はその「インターネットっぽさ」への深く明晰な理解を我々に示し続けることで他の「高ネットリテラシー声優」の存在を過去のものにしたが、その思慮深さによって「おもしろインターネット概念わかり手」的ポジションの無意味さに気付いたのか、そういった側面のアピールを徐々に控えるようになってきた。
一方、人との距離感を掴めないおたく達は理解者が現れたとばかりに今に至るまで会沢の言動にはしゃぎ続けており(当然ながらこんな文章を書いている筆者もここに含まれる)、開始当初のこの番組は彼女の奮闘に甘えたそんな連中のお寒いノリに辟易させられる厳しい内容だった。
しかし、ここ最近は会沢がおたくに対する適切な距離感(いなしたり無視したりだけではなく刺す必要がある時は容赦なく刺す)を保ちつつ、一人喋りやゲストとの語らいを通じて一人間としてのブルーズを垣間見せることで番組内容に面白さだけではなく深みが与えられており、知性とユーモアと矜持を持ったエンターテイナーとしての彼女への信頼は増すばかりである。

 

テレビ千鳥

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なんだかんだで一番毎週楽しみにしていたテレビ番組はこれになる。今年も秀逸な企画が多く沢山笑ったが、なんといっても一番は「面白新キャラクターを作ろう!!おっさん芸人応援宣言」。温かい涙が流れれば流れるほど笑えるという仕組みは悪趣味というより最早普段我々が依拠するモラルの心もとなさに揺さぶりをかける試みにすら映ったし、見ているこちらも感動と爆笑が同時に湧き上がって心も顔もグシャグシャになるという新鮮な体験。「大ジャンプだ、原田!」

 

その他コンテンツ

Dr. ハインリッヒ『砂漠』

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年末にピッタリ

 

シンデレラガールズ10thライブ名古屋公演の飯田友子

Hotel Moonside』をバリバリに踊りながらヘッドセットで歌っており、最初に披露されたあの2015年のパフォーマンスからは比べ物にならないくらいの進化を遂げているにも関わらず誰も見ていないというもったいなさすぎる状況。これもひとえに「固定客(信者ともいう)以外無視」の方針に舵を切ったバンナムコロムビアの責任によるものであり、この先も演者さん達の質は向上していくのに新たな受け手との出会いが生まれることはないと考えると気分が暗くなる。ごちゃごちゃ言わず一刻も早くサブスク卸せ。

 

Calibre, DRS, Mark Ernestus 『Bad / Badder』

体を動かした時や重い食事をした時よりもSpotifyを開いている時に一番自らの加齢を実感してしまうようになった(昨日もUnderworldを聴いていた)。今年はもう新譜もほとんど聴かなかったがこれは好きだった。移ろっていくスタイルの中でもダブの命脈は絶えないことが示されている。

 

新橋「らーめん 谷瀬家」

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初訪問はコロナ禍前だけど今年久々に食べて相変わらず非常に美味しかったので。横浜市民ではあるものの家系はあまり好きではなく積極的には食べない身だがここは別。スープにイヤなギトギト感も粗雑な風味もない。ウーマです。

 

じゃがりこ 野沢菜こんぶ味

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最新のハマりもの

 

番外編 良いとはいえないけど言及した方がいいかなと思ったこと2021

FIFA22

楽しんではいるが苛立つ時間の方が長くなっており精神衛生に良くないなとは思っている。それでも止められない(どうしても辛抱できず間隔を開けた際もインターバルは1週間)ので来年はこの依存症気味なゲーム欲をどう制御するかに向き合いたい。

 

セルヒオ・アグエロ引退

5月のシティ最終戦での2ゴールを見た時はこんなことになるとは思ってもいなかった。不本意な形で偉大な選手がスパイクを脱がなければならなくなるなんて、と未だに考えてしまう。

シティを追いかけるようになってからすぐのアストンヴィラ戦で、ハットトリックを達成したアグエロを見た。今よりもはるかにフットボールに対する理解度が低かったにも関わらずその凄さはなんとなく感じられた。
その後の彼は怪我で苦しんでいた期間が長く、こちらが彼の本領を目にする機会をあまり得ることができないまま退団と移籍が決まってしまった。それでも、カンプノウや他の場所でもいいから、ストライカーとして彼が輝く姿がまだまだ見たかった。

あのQPR戦のゴール、そしてその前後にアグエロが決めた数多のゴールがチームのみならずスタジアムに集う人々や街にもたらしたものに思いを馳せるとたまらない気持ちになる。
そしてまだまだ彼は今までそうしてきたように素晴らしい瞬間を紡ぎ出し、喜びや興奮を我々に感じさせてくれたはずだっただけに残念でならない。こういう時、こちらはどうすればいいんだろう。何ができたんだろう。何ができるんだろう。そもそも何かができると思うことすらおこがましいのかもしれないが......

ずっとそんな思いを抱えている。

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色々 (プレミアリーグ第1節、月ノ美兎『月の兎はヴァーチュアルの夢をみる』、他)

イングランド・プレミアリーグ 第1節

お盆の時期と被ったので全10試合中5試合をリアルタイムでチェックすることができた。

マンチェスター・シティトッテナムにあっさり敗戦。メンバーが国際試合帰りで調整が......等事情が色々あるだろうが、それにしても物足りない内容だった。ボールを失った際のメンディの反応の遅さ(あれでは確かに横にいるのはロドリではなくフェルナンジーニョでないと守備が破綻してしまうだろう)、アケの慌て方、劣勢になるに従って判断ミスが多くなるカンセロといった面々を見ていると、昨季の優勝がディフェンスラインの質の向上によってもたらされたものであり、裏を返せばその質が保証されているレギュラー陣が欠けた場合苦しい戦いを強いられるのは必然(それこそ昨季のリバプールのように)だということを再認識させられる。
ただ、ソン・フンミンの素晴らしいゴールが決まってからデブライネが投入されるまでにみられた攻守における不安定さは個々人の資質の問題ではないようにも感じた。明らかに策に窮しているのに一旦落ち着こうという雰囲気に持っていこうとする気配も出てこない。アウェーで大観衆に囲まれているからなのか?ボールを持ち続けて押し込み続ける横綱相撲しかできないのであれば上位陣との対戦は厳しくなるし、カウンター対策をしっかりしていないと拾える勝ちも拾えなくなると思うが......
新加入のグリーリッシュは非常に良い働きをしていた。前半の「メンディ-グリーリッシュ-スターリング」の並びもなかなか良かったが、終盤にジンチェンコとデブライネが加わりグリーリッシュが一列前になってからは完全に「いつものシティ」となり頼もしく見ていられた。フォーデンが戻ってくるのがより楽しみになった。

アーセナルは......「スミスロウがなんとかしたあとティアニーとサカがなんとかする」では難しいだろう。試合終盤にアルテタの切羽詰まった顔を眺めるのもお馴染みになってしまった。ウーデゴーアが合流したら打開されるのだろうか。ユナイテッドはひたすらポグバとブルーノが凄かった。レスターは思っていたほどウルブスを圧倒するわけでもなくやや肩透かしな印象。リバプールは流石に格が違っていた。

つらつらと書いたけど今季はチェルシーが優勝すると思っています。ケインが本当に来たら?いや、それでもどうかな......

 

月ノ美兎『月の兎はヴァーチュアルの夢をみる』

VTuberにそれほど入れ込んでいない身で言うのもちょっと筋違いかなと思わなくもないが、それでも月ノ美兎の存在は別格だと思っているところがある。エンターテイナーとしてのサービス精神の強さ、マニアックなトピックの取り上げ方と決してそれを「分かる人にだけ分かればいい」という開き直りのみで取り扱おうとはしないバランス感覚、他にも様々な面が彼女の魅力としてあげられるであろうが、個人的には以下の発言に現れている姿勢に感じ入る。

 「10年前とかの懐かしいサイトの話たまにするじゃないですか。着々と私もその一部になれているなと思うと、すごく嬉しいんですよ」

「もし私がネットに姿を現さなくなったとしても、月ノ美兎ってそういえばいたよねとか、そういう話を誰かがするとするじゃないですか。多分1人くらいはしてくれると思ってるんですよ」

「私は、ネットの歴史のちっちゃな一部になれたことが、とっても嬉しいです」

出典: MoguLive『これで分かる!「月ノ美兎」徹底紹介 その魅力と信念とは?』

文化は記憶の積み重ねによって成り立っていく。そのことを自覚しながら、今目の前にいる受け手だけでなく、遙か遠い場所にいるかもしれない未だ見ぬ誰かと自らの残したものが出会うことに思い至らせながらなされる表現ほど、希望と信頼に満ちたものがあるだろうか?

このアルバムは、月ノ美兎というキャラクターのイメージソングを集めたものというよりかは、彼女のそういった表現への姿勢に呼応した作家たちにより注ぎ込まれた様々な音楽のニュアンスが2021年のポップ音楽集としてまとめられた作品だと感じる。『ウラノミト』の流麗なジャズ/フュージョン、『光る地図』のハイパーなフットワーク・ワルツ、『浮遊感UFO』のむせ返るようなニューウェーブ、『NOWを』ではいとうせいこうの導きによりリントン・クウェシ・ジョンソンまで顔を出すし、『みとらじギャラクティカ』においてですら夕方アニメのED曲とナードコアの向こう側にアフリカ・バンバータの幻影がう〜〜〜〜〜っすらと見える。
ただし、各作家によって新たに持ち込まれた要素が(時に意外性も伴いながら)月ノ美兎のイメージを補強したり拡張したりしても、彼女は自分のルーツや今いる場所を忘れることもない。『それゆけ! 学級委員長』での所信表明だけでなく、『Moon!!』のリメイクを最後に置くことで出自を再度明確にしながらアルバムを〆る義理堅さには驚かされる。我田引水な深読みをすれば、1曲目も自らが表現の素材として再利用されることで、彼女自身が親しんできたような文化のサイクルの一部に組み入れられることを肯定しているともとれるし、そんな視点がダブとリンクしていることが楽曲で示されているのが興味深い。


こうやって各曲のジャンル分けだけ書き出すと全く統一感がないが、それでも飽きさせない作りになっているのは当然曲順などディレクションがしっかりしているのもあるが、やはり我々が知っている月ノ美兎という存在に抱く印象—決して表街道だけを進んでいくわけではないが、万人に開かれた存在であろうという態度は失われない—がこの作品の至るところから感じ取れるからであろう。
表現者としての姿勢や展望が共同作業者と共有され、それに基づき志高く作られた成果物、というと大仰すぎるので別な表現にすると、多大なとっつきやすさでどんな人間も受け入れようとしながら少しのマニアックさによる「癖」も忘れない、聴き手を楽しませようとするエネルギーに満ちた間口の広いアルバムだ。自分はここに明るい未来を見出したい。次の作品も出るといいなと思う。

 

宝鐘マリン『Unison』

 謎めいた曲。無軌道に盛り上がるわけでも体が動いてしまうグルーヴがあるわけでもなく、かといって無機質さを目指しているわけでもなさそうな忙しないビートに簡素すぎるアレンジ、そこに乗る船長のアニソン歌唱(ミックスも変じゃない?)、はっきり言って何がしたいのかわからない。同作者の『Hyper Bass』も変な曲だったがまだ盛り上げどころなどは分かった。だがこの曲は最早現在我々が有しているリテラシーでは図りきれないものが示されているような気がしてくる。それとも良い音響でデカい音で聴いたら飲み込めるのだろうか?完全にオタク文化の住人でクラブと縁遠そうな船長がこれを歌うというのも面白い。

 

お酒

オチが思いつかないので最近飲んで良いなと思った蒸留酒情報をシェアして終わりにします


・STOCKHOLMS BRANNERI NAVY GIN

ginbottle.shop

香りを楽しもうとすると度数の高さで泥酔突入しがち

・Diplomatico Reserva Exclusiva

rondiplomatico.com

甘い香りでそんなにクセがないラムは大概好きです

 

はっきり言って最近は機嫌が良くない。ニュースを見ても暗い未来ばかりが頭をよぎるし、好きでやっているとはいえゲームでも毎日負け続きで溜息が出てくる。善き人であればそれをどのように好転させるかを考え日々努力を積み重ねていくのだろうが、怠惰な人間なのでそのような気力も湧かないし、様々なトピックを解きほぐして自分なりに理解しようとする過程もサボり、何でもかんでもとりあえず自分に関わることとして怒ってみている感じだ。
ツイッターで手軽に喚き一時的にスッキリしているのにあまつさえこの場でもバッドムードをお裾分けするなどなんのイヤガラセかという感じだが、どうせなら一つの実験として一度振り切って最悪に身勝手な文章を残してみるのも後々見返した時に何か感じられるものがあるかもしれない(おそらく『不愉快』とか『恥ずかしい』という感想が真っ先に出てきそうだが)。

全く関係のないことだが、急に思い出したことを書く。
学生の時受講していた文章表現の講義で毎回課題として数百字程度で音楽や映画のレビューを書いていたのだが、ある日の講評で教員から「君の文章には色気がない」と言われたことがあった。
今思い返してみると、「読み手にとって心掴まれるようなものがない」ということなのだろうなと解釈できる。迸る情熱やユニークな視点、確かに無いなあ〜と思う。そしてそういうものは日々の思考や感受性の研鑽の積み重ねから生まれるものだと頭では理解しているが......結局この文章もそれっぽい言い回しで一般論を述べているだけだということに気付いたのでここでおしまい!

UEFAチャンピオンズリーグ 2020/21 決勝戦 マンチェスター・シティ vs チェルシー

この敗戦が様々なメディアで言及されているように「ペップの考えすぎによる失策」だとは必ずしも言えないと思う。昨年のリヨン戦のようにいきなり当たったのならともかく、リーグ戦でも国内カップ戦でも相まみえ、そのうち直近2戦で敗れている相手だ。ただただ上手く対策され(ジェームズとチルウェルが両ウィングを徹底的に抑える)、ハイパーな個の力を凌駕するほどの組織力を見せられなかった(カンテをバロンドールに推す声を見かけるがこの試合でのパフォーマンスを見る限り同意したくなる)。プレミアリーグでも来季はどうトゥヘルチェルシーに対抗するかが各チームの主題になるだろう。こういう結果に終わることも予想の範囲内ではあった。

それでも心が痛むのは敗戦そのものが原因ではない。顔から相手と衝突し(眼窩底骨折かもしれないらしい)、なんとか出場し続けようとするもチームメイトに説得されて涙ながらにピッチを後にしたデ・ブライネの姿が脳裏から離れない。アグエロのシティにおけるストーリーを理想的に締めくくることができなかったのも残念だが、応援するチームが大一番で敗れる姿を目にするにしてもこんな理不尽な未練が残らない形であってほしかった。こちらはただ観戦しているだけで選手やスタッフが今直面している心情とは比べようがないかもしれないが、こういった体験もまたスポーツを見ることの意義の一つなのだ、とまた言い切れるようになるにはもう少し時間が必要だ。

色々 (FPL、ベイスターズ、Cardinal & Nun、ウマ娘、シャニ)

Fantasy Premier League 第18節〜第31節

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ブログを放置していた間にかなりシーズンが進んでしまった。総じて怪我人とターンオーバーに翻弄され平均程度がせいぜいといったところ。過密日程が解消されないとこの辺はどうにもならないか?

 

横浜DeNAベイスターズ

よ、弱い......投手が抑える日は打てず、打てる日は投手が抑えられず、ここぞで出てしまうつまらないミス、の噛み合わなさに見ていて頭が痛くなる。ただ、外国人選手の入国手続きに関する失態や、肘の不調を訴えた平良を1回飛ばしただけで再び先発させ結局症状を悪化させる等、球団の諸々の判断が迷走している方が事態としてより深刻なように感じられる。「既存のプロ野球の属人的なそれとは違う組織を成り立たせる!」という志が空回りし、結果的に反面教師としていたはずだった前親会社と同レベルに運営が拙くなっているような......

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牧秀悟、That's RISING HOPE......

 

Cardinal & Nun 『Dancing in the Evil』

L.I.E.Sからのリリース。ディスクユニオンの紹介ページで書かれている「ジョイ・ディヴィジョンオマージュ?などやりたい放題EBM&ポスト・パンク!」というコピーが適切なサウンドだが、その中でも特にThe Birthday Party等のダークでジャンクなガレージ・ロック寄りのポスト・パンク、ならびにそこから多大に影響を受けた『From the Double Gone Chapel』〜『Wrong Meeting』期のTwo Lone Swordmenが想起される。

余談だが、その頃のTLSについてリリース当時は褒めていたが後年「当時は言わなかったけどあれはナシだったよなw」的なことを書いてたのを見て野田努への信頼度がガタ落ちした。

 

ウマ娘 プリティダービー

ご多分に漏れずやっています、面白い!!擬人化ブームにだいぶ遅れて乗っかろうとしたZ級声豚向けコンテンツという第一印象、「事前登録◯周年」なるトンチキキラーフレーズといった苦笑諸要素が一発で脳内から葬り去られてしまった(アニメ版をちゃんと見ていた人はもっと早くそうなっていただろうが)。元ネタへしっかりリスペクトが向けられるような作りになっているのが理想的だと感じる。

競馬に関する知識がないので、とりあえず中の人経由でエアグルーヴがファーストチョイスかな(デレパ有料会員)と思っていたが、評判を聞いてサクラバクシンオーで初育成にとりかかったらそのままURAファイナルズ制覇まで達成。その後は苦戦するも先日オグリキャップで2度目のうまぴょい。今後は長距離が得意のウマの育成にも挑戦したい。

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本当に育てやすかった......差して勝つのもテンション上がるが逃げて逃げて逃げまくるのもまた別のドキドキがある。

 

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2年目の有馬記念でコンティニュー3回目でなんとか突破できたのと天皇賞(秋)でラスト数十メートルで差し切って勝って本気のガッツポーズが出たのが良い思い出


アイドルマスター シャイニーカラーズ

SHHisシナリオ 

固執していた空想から抜け出し他者を認識し始める2人を描くことから「表現とは何か」を問いかける、という風に読むのであれば好感が抱けるが、一方芸事の産業としての歪さを「アイドル残酷物語」として表現されるのにはピンとこない。これはニジガクのアニメ版によって、「何かを犠牲にし競るのではなく、あくまで自分がやりたいことを他人と協力して成し遂げる」という姿勢がアイドルものでも「アリ」なんだと個人的に気付かされたこともあると思う。

ソロ曲シリーズ

各ユニットがイメージから外れた楽曲を出さずバリエーションが乏しいという印象が拭えなかったが、今回のシリーズはそこから脱却する足がかりとなりそうで良い。1曲選ぶなら、YMO星野源経由なオリエンタルなフレージングと無邪気な好奇心を歌う歌詞が素晴らしい芹沢あさひの「星をめざして」。

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3rdライブ

衣装やライティングから予算枠の増大が見て取れる。どうせデカい規模のコンテンツなんだから演出にもガンガン金をつぎ込んでほしい(適当)

マジモンの大声出た

 

 



 

 

色々(リバプールvsシティ、スーパーボウル、デレ3rd配信、ポプマス、他)

プレミアリーグ 第23節 リバプールvsマンチェスター・シティ

 


HIGHLIGHTS | LIVERPOOL 1-4 CITY

 

 確かに最近のリバプールは怪我人続出で調子が悪かったとはいえ、昨季の絶対王者にアウェイで完勝するとは......。以前記事にしたチェルシー戦以降負けなしで首位に浮上したものの、主力中の主力であり異次元レベルの存在であるデブライネを欠いた状態でどう戦うんだ?と思っていたが、ハードワークとテクニックを選手全員が両立させることで勝利を手繰り寄せた。もらったPKはミスし、逆にPKを与え、という展開は失意から悪い結果にたやすく繋がってしまいそうなものだが、タスクを完遂し取り返し、突き放し、そしてダメ押しの一発。フォーデンの鋭い一撃は将来今季を振り返った時に必ず思い出すゴールになるだろう。

エースストライカー(アグエロ)と世界一と言っても過言ではない司令塔(デブライネ)を欠いてはいるが、若きディフェンスリーダーの加入(ディアス)や燻っていた男の覚醒(ストーンズ)で守備が安定し、攻撃面では神出鬼没さが開花した者(カンセロ)や能力を活かし勢いを掴んだ者(ギュンドアン)が違いを作り、攻守で身を粉にしヘルプに走る存在がいて(ベルナルド)、そして試合ごとに凄みを増していく若きスターがいる(フォーデン)。
連勝を続けていた1月の間も、ガッチリ守られて完全には崩せなかったり、厳しいプレスや激しい攻撃に晒されたりな試合をドキドキヒヤヒヤしながら見続けていたのは確かだし、きっかけ一つでまた混戦に飲み込まれる可能性も拭えないが(ディアスとベルナルドに万が一があったら結構厳しくなるだろう)、少なくとも今のシティは見ていて心躍らされる強いチームであり、彼らが栄冠を掴む姿を見たいと思える。

 

・第55回スーパーボウル


Chiefs vs. Buccaneers | Super Bowl LV Game Highlights

 

atkm.hatenablog.com

こちらの記事から興味を持ってちょくちょくプレイオフを見ており、元ベイスターズマホームズの息子vs筒香がいるタンパベイ・レイズと同都市のチーム、というマッチアップに縁を感じたこともあって休暇を取ってリアルタイムでフル観戦。

ご多分に漏れずルールは身についていないものの、徐々に面白さを感じ取れるようになってきた。この試合ではDAZNでも日本語の実況・解説があったこともあり、TBの守備の上手さによりKCの泣き所(マホームズも手負い&レギュラーメンバーにも欠員)を突き続けて攻撃を機能させなかった、という試合を決定付けた点が理解できた。TBが3Qで攻撃にじっくり時間をかけていたところとその意義も初心者的には「へえ〜」ポイントだった。
もちろん他のスポーツと同様に、そういう戦術性から感じる奥深さだけでなく、選手たちの凄いアクションを見せられテンションが上がるというダイレクトな楽しみ方も同時にしっかり味わえることができ(万全でないにも関わらず、あれだけチェイスされる中ほぼ地面と水平の体勢からTD未遂のパスを出せるマホームズ......)、非常に楽しかった。来季も継続して楽しみたい。

 

シンデレラガールズ 3rdLive「シンデレラの舞踏会 - Power of Smile -」Day2 配信

YouTubeでの配信。久しぶりに映像を見た。今みたいにド派手な演出もなく隔世の感は否めないが(『おねシン』2回やって休憩も挟んでいる)、それでも当時感じた良さが消えることはない。
この日のライブビューイングがアイマスのライブ初参加であり、そこで飯田友子のあの『Hotel Moonside』の鮮烈なパフォーマンスを目の当たりにしたことで今の今までこのコンテンツとの付き合いが続いている、という個人的な経緯があるのだが、自分以外にもこの日以降その後の方向性が変わった、という人が大勢いるのではないかと思う(これは演者側も含む)。

この後パフォーマンスの質を向上させ続けGreatest of All Timeになっていく飯田はもちろんのこと、独り立つ佐藤亜美菜や華麗に舞うルゥ・ティン、クライマックスの流れを見事に引き受けた原紗友里が印象深い。

 

アイドルマスター ポップリンクス

リリース前は「キャラデザが同人ゲームっぽい......」と思いながらも、SideMスルーでスターリットシーズンへの期待値がゼロで固定になるくらい強硬なみんマス派なので現状の全ブランド勢揃い嬉しい!と無邪気に喜んでいたのだが、蓋を開けたらガシャに天井なしの魔境であることが判明し恐れおののいている。いわゆる「担当」が現時点でほとんど実装されていないので、いつ登場するかが楽しみなのと不意打ちジュエル消費への警戒が半々くらいの気持ち。

ゲーム自体は「音ゲー飽きてたしちょうどいいか」くらいのいい湯加減な接し方ができている。強力スキルをゲットするためにガシャを引きたくても上述の理由で積極的に行けないので、スコアアタックはしない方向とする。あとはサービス自体が全キャラ網羅するくらい続くのを祈るのみ。

 

・碇チンボウの人類ええやん計画


碇チンボウの人類ええやん計画

 


碇チンボウの人類シューシュー計画

 


碇チンボウの人類シュシュっといっとく?計画 

 


碇チンボウの人類打ち上げあんの?計画

 

バッファロー吾郎Aがザコシの芸をミニマル・テクノだと評したとのことだが、この一連の動画を見るとそれがよく分かる。いつの間にか入れ替わるフレーズ、少しずつ変わる声色、反復のズレ、唐突なナンセンス。

 

 

 

は?

 

 

 

 

 

色々 (FPL、Vladislav Delay、ラム酒、シンデレラガールズ)

Fantasy Premier League 第12節〜第17節

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中盤のKDB、スーチェク、(出られれば)マディソンとDFのティアニー、ロバートソンでポイントを稼ぎ平均を超える回数も多かったが、他ポジション(特に前線)のチョイスでもっといいところを突ける気もする。

 

Vladislav Delay / Sly Dunbar / Robbie Shakespeare 『500 Push-Up』 

昨年の作品。ダブに接近した電子音楽家であるVladislav Delayと、レゲエ界で最も名の知られたリズム隊によるコラボレーション。
Basic ChannelMoritz von Oswaldともユニットを組んでいたこともあり、今までのVladislav Delay名義での作品においてダブ・エフェクトはあくまで真新しい音像を鳴らすために用いられている印象でどこか静けさも感じられたが、昨年のアルバム『Rakka』では従来のイメージからは遠い、激しい音・激しいリズムが鳴らされておりノイズ・アーティストの作品か?と思わされた。
そしてこの『500 Push-Up』でも、Sly & Robbieの熟練のグルーヴによりダンス音楽としての機能は確保されながらも、仕上がりは過剰さすら感じられる、というか過剰さから見えてくるものが前提になっているというような激しさに満ちている。真っ先に想起されるのはエイドリアン・シャーウッドによるON-U Soundの諸作品であり、こういった形でインダストリアルからパンクまで遡るような歴史の豊かさを記憶から引っ張り出させる電子音楽とレゲエの結びつきが今に実る流れが生まれているというのは興味深い。

 

Santiago de Cuba Anejo

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最近Captain MorganやBacardi等ラム酒をちょくちょく飲んでおり、何か新しい銘柄にトライしてみようかと思っていたところたまたま見かけたので購入。これは7年物で、他にも12年・20年・25年があるとのこと。

香りが甘ったるすぎないのが非常に良い。ストレートで飲んでも変なアルコールの臭みが全然ない。自分はスピリッツはほぼ炭酸水で割って飲んでいるのだが、そうすると刺激も薄れ非常に爽やかな飲み口(個人的には以前『世界のkitchenから』シリーズで出していたエルダーフラワーのスパークリングウォーターを思い出した)。久々にお酒で「当たりだ!」と思えた。今後常備しておきたい一本。

 

シンデレラガールズ『Happy New Yell!!!』

2日間とも視聴。ニュージェネレーションの3人が不在でコンセプトも明快な訳でもない、その上無観客配信、とどうなるかわからない中で見たが、思ったよりまとまっていたという印象。

ソロ曲・デレステのイベント曲は違和感のない流れでセットリストに配置されており、その安定感をユニット曲での選曲の意外さで揺さぶっていた(特に『ススメオトメ』と『オルゴールの小箱』はもうやらないかなと思っていたのでかなりビックリした)。
ARを使った演出も、チープさを感じる場面もあったが総じてやりすぎなくらいの派手さ(客席全水没や手裏剣無限乱舞は笑う)が良い賑やかしになっており、変にテクニカルなことをやられるよりかは好感が持てた。それでも喜多日菜子のソロ等今後もこれでしょ! と言いたくなる出来のものもあり、有観客に戻ったとしてもステージングの一要素としてARは全面的に採り入れるべきだと思う。

そして、そんなケレン味に溢れているからこそそういった要素を差し込まず演者の表現力にすべてが託されたパフォーマンスもまた映える。圧倒的な歌唱力を見せた鈴木みのりと、楽曲とステージングを通して「キャラクターを表現すること」を成していた武田羅梨沙多胡が各日のMVPだろう。ほかにも先述の通り圧巻の一人芝居を見せつけた深川芹亜、顔で歌うっぷりの貫禄がすごい渕上舞、表情が魅惑的だった天野聡美が印象に残った。

以下、好(Hǎo)だね.......のコーナーです

 髪色明るショートヘア女性のファン

 前歯がチャーミング

 

 

 飯田友子さん、Greatest of All Time

 

 

 

 

 3枚目ヤバすぎる......